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【インタビュー】アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出す。- VIA誕生秘話と情熱 -

#インタビュー

マウスガードに、どんなイメージをお持ちですか?

例えば、「ルールだから仕方なく使っている」「違和感があって集中できない」と感じていませんか。もしそうだとしたら、それは本当の意味で“理想のマウスガード”にまだ出会えていないのかもしれません。

今回お話を伺ったのは、スポーツマウスガード「VIA」の開発者の一人であり、歯科技工士として20年のキャリアを誇る工藤裕明さん。

工藤さんは、既存のマウスガードが抱える数々の課題に強い問題意識を持ち、機能性はもちろん、デザイン性にも細部までこだわり抜いて、アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出す「VIA」を誕生させました。

VIAが生まれた経緯、そこにはどんな技術と情熱が込められているのか?工藤さんの熱い想いと、VIA誕生の裏側に迫ります。

あなたのパフォーマンスを、そしてスポーツの未来を変えるヒントが、ここにあるかもしれません。

金歯の模型を手に持ち、電動工具で作業する歯科技工士の工藤裕明さん

本日はよろしくお願いいたします。まずは、工藤さんの自己紹介からお願いできますでしょうか。

はい、工藤裕明と申します。歯科技工士として20年、この道一筋でやってきました。現在は代表として、日々アスリートのパフォーマンスを支えるマウスガード「VIA」の開発・製作に情熱を注いでいます。

ありがとうございます。20年ものキャリアの中で、スポーツ歯科医療に関わるようになったきっかけは何だったのでしょうか。

私の地元、北海道という土地柄、周りにはたくさんのスノーボーダーがいたんです。彼らが怪我をする姿を多く見て、何かできないかと考えた結果、マウスガードを勧めるようになったのがきっかけでした。そこからマウスガードの制作に関わるようになり、今に至ります。

なるほど。そこから、VIAの開発へと繋がっていくのですね。VIAの開発に至った背景やきっかけについて教えていただけますか?

はい。既存のマウスガードに対する課題意識が大きかったんです。多くの人がルール上仕方なく使っているだけで、非常にレベルの低い製品を使っているケースが多かった。

私は、マウスガードユーザーが自身の好きなカラーのマウスガードをファッション感覚で使ってもらいたい、そして性能面でも万全なものを提供したいという思いから、VIAの開発を決意しました。もちろん、学会などでも勉強を重ねその知識を活かしています。

既存のマウスガードに対する課題意識から、VIAの開発が始まったのですね。どのようなアスリートのニーズに応えたいと考えたのでしょうか?

マウスガードを装着したことで、アスリートのパフォーマンスを落とすことがないように、ということを第一に考えました。アスリートの要望を満たし、さらにはおしゃれで使いたくなるようなマウスガードを目指しました。

VIAのコンセプトや、最も重視した点について教えてください。

最も重視したのは、アスリートのパフォーマンスを落とすことがないような設計にするということです。装着時の違和感を極力減らし、運動中の顎の動きを妨げない理想的なマウスガードを目指しました。

VIAの独自技術や特徴について、具体的に教えていただけますか?

はい。まず、VIA最大の特徴は「ツーレイヤードプロテクションシステム」です。一般的に多い1層タイプですと、前歯部が薄く、臼歯部※が厚くなってしまいます。ガード力が欲しい前歯部を臼歯部よりも厚くするために、2層構造にすることは必須だと考えました。

素材選びにもこだわりがあるそうですね。

はい。素材は、世界的なマウスガード企業であるドイツのエルコデント社のカラーマウスガードシートを使用しています。カラーも豊富で、厚みの選択肢も多く、理想的なマウスガードを製作するためにはこの素材が必須でした。

薄さを実現するための工夫もされているのでしょうか?

薄さ自体はVIAにとって重要ではありません。それよりも、アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出すために違和感を削ぎ落とすこと、運動中の顎の動きを妨げないこと、そして何よりも保護性能を高めることを重視しました。

なるほど。VIAならではの技術は他にもありますか?

アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出すために、徹底的に違和感を削ぎ落とし、運動中の顎の動きを妨げない、理想的なマウスガードに仕上げているのがVIAならではの技術です。

VIAの製作工程におけるこだわりや、特に力を入れている工程はありますか?

はい。まず型取りは非常に重要です。スポーツ用品店で売られているような、自分で温めて歯形を合わせるものや、通販でよくある、歯型を採るキットを取り寄せて、口や歯についての知識がないユーザーに見様見真似で型取りさせて作るようなものはマウスガードの適合性を落とすだけでなく、噛み合わせがズレを引き起こし顎や歯への負担が増加し危険も伴います。

また、噛み合わせがズレると、踏ん張りがきかなくなり本来の力を発揮できなくなってしまいます。なので、必ず歯科医師のもとで精密な型取りを行うことが必須だと考えています。

設計におけるポイントはありますか?

ガードが必要な部分に適切な厚みを持たせ、不要な部分は削ぎ落とし、生体に調和した自然美を損なうことがないように心がけています。

製作時の注意点はありますか?

熱可塑性材料※のため、高温で簡単に変形してしまいます。この部分には特に注意を払っています。

品質管理についても教えてください。

使用後は水で洗い、マウスガード専用の洗浄剤で洗浄した後、乾燥させて保存してください。

VIAの設計において、どのようなスポーツ種目を意識していますか?

プレイ中の装着が義務化されているスポーツはもちろん、義務化されていないスポーツをしている方にも使いたいと思っていただけるようなマウスガードになるよう力を入れています。

競技ごとに設計に違いはあるのでしょうか?

はい。コンタクトスポーツや非コンタクトスポーツ、咬合面※を守ることに特化したいスポーツなど、競技によって設計は大きく変わってきます。

※上下の歯が噛み合わさる面

VIAの安全性について、どのような試験や検証を行っていますか?

コンタクトスポーツでは、前歯部3ミリ以上が推奨されており、4ミリを超えても衝撃吸収性に大きな有利性はないという発表があるので、それに則って設計しています。

デザインにもこだわりがあるとお伺いしました。機能性とデザイン性の両立について、どのように考えていますか?

デザインを入れることで必要以上に分厚くならないようにキャンバスを整え、2層目が薄くラミネートがかかるようにすることで違和感の少ないデザインマウスガードを実現し、機能面とデザイン面を両立させています。

VIAを通してアスリートにどのような価値を提供したいと考えていますか?

今一番思っていることは、歯科医院で作ってもらうマウスガードにもばらつきがあり、作り手によって使用感が大きく異なるということです。マウスガードに良くないイメージを持っている方も少なくないと思うので、ぜひVIAに出会い、スポーツパフォーマンスを損なうことがないマウスガードを体感してほしいです。

ありがとうございます。ここからは、同業者からの評価についてお伺いします。VIAは、同業の歯科技工士や歯科医師からどのような評価を受けていますか?

技術的な面では、歯科医師、歯科技工士両方から最高の評価をいただいております。無調整※で最高、美しいなど、嬉しい言葉をたくさんいただいています。

※無調整とは、通常は出来上がったマウスガードを歯科医院で、ユーザーが初めて試着する際に噛み合わせなどを調整するが、その必要がないほど完璧だということ。

無調整というのはすごいですね。具体的にどのような点を評価されているのでしょうか?

独創性や革新性に対する評価が高いです。特にVIA Custom Proは、唯一無二の評価をいただいています。他では分厚すぎて使いものにならない、見た目がダサいという声も聞きますが、VIAは全く別物だと言っていただけます。

評価で特に印象に残っているものがあれば教えてください。

グラフィックの製作実習をしていたときに言われた「これはあなたにしかできないですね」という言葉ですね。カッティングの美しさを評価された時も印象に残っています。

素晴らしいですね。工藤さんは、日本スポーツ歯科医学会認定マウスガードテクニカルインストラクターの資格もお持ちですね。取得した経緯や、その意義について教えてください。

地元北海道旭川市でスポーツ歯科をされていた歯科医師の先生に誘われ、スポーツ歯科医学会に入会したのがきっかけです。それまでは、自分が良いと思ってなんとなくやっていましたが、学術的な観点からいろいろと勉強することができ、マウスガードというものをさらに進化させることができたと思っています。

学会での学びは、VIAの製作にも活かされているのですね。具体的にどのように活かされていますか?

学会で得たエビデンスに基づいた理由のある製作工程で、機能面と性能面の両方を満たすマウスガードを製作できる技術が生かされていると思います。

スポーツマウスガードの重要性について、工藤さんはどのように考えていますか?

競技におけるリスクは、やはり外傷です。それを予防するためにマウスガードを使用するわけですが、それが選手のパフォーマンスを下げるようなものであってはならないと思っています。そういったレベルの低いマウスガードもあるのだということが、多くのアスリートに認知されていくことが重要だと思っています。

予防の重要性についても教えてください。

折れた歯はもう戻りません。また、人によっては怪我をした時の恐怖も消えず、その後のプレイが消極的になってしまうこともあります。義務化されていないスポーツも含め、すべてのスポーツでのマウスガード使用をお勧めします。

スポーツマウスガードの現状に対する課題や、今後の展望について教えてください。

現状、スポーツマウスガードは歯科技工物ではありません。つまり、誰でも作れてしまうということです。これが、まだまだ低レベルなマウスガードが世の中に多く出回っている現状だと思います。

歯科医師の管理のもと型取りされた模型で、学会認定テクニカルインストラクターを取得した製作のプロである歯科技工士がマウスガードを製作し、歯科医師の調整管理のもと適切にマウスガードを使用する、これが日本のスタンダードになることが課題であり私の目標で、アスリートのためにもこれが最も良いことだと思っています。

最後に、アスリートや指導者に向けてメッセージをお願いします。

非常にレベルの低いマウスガードが、選手のパフォーマンスを下げてしまっていることも多いというのが現状です。つまりは、勝てた試合も負けてしまうなんてこともあったのかもしれません。VIAで最高のマウスガードを体感してほしいです。

ありがとうございます。最後に、製作する上で印象に残っているエピソードや、やりがいを感じる瞬間があれば教えてください。

一般的な歯科技工士ではあまりないような、選手と触れ合える時間があることですね。「今まで使っていたマウスガードと全然違う!すごくいい!おかげで勝てました!」と言われたり、歯科医師の先生方からも「よかったよ〜」と言われることも、やりがいを感じます。

本日は貴重なお話をありがとうございました。工藤さんの熱い想いと、VIAへのこだわりが伝わってきました。今後のご活躍を応援しています。

ありがとうございました!

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